無料で使える工数管理ツールまとめ 2026年版
「工数管理ツールを無料で使いたい」と検索すると、たくさんの選択肢が出てきます。ただ、ひとくちに「無料」と言っても中身はかなり違います。人数で絞るもの、機能で絞るもの、扱えるプロジェクト数で絞るもの——どこに制限を置いているかは、ツールごとにバラバラです。
しかも 2026 年は、無料枠が動いた年でもあります。たとえば Clockify は、長年の売りだった「無料ユーザー無制限」を 2026 年 4 月に取りやめ、無料プランを最大 5 ユーザーに変更しました。「去年まで無料だった使い方が、今年は有料」ということが起こります。
この記事では、2026 年 6 月時点で各サービスの公式料金ページを確認したうえで、無料で使える主な工数管理ツールを、事実ベースで整理します。料金や上限は変わりやすいので、最終的には必ず各社の公式ページで確認してください。
「無料」の3つのタイプ
ツールを見比べる前に、無料プランの「絞り方」を3つに分けて頭に入れておくと、選びやすくなります。
- 人数で絞る:機能はほぼフルだが、無料で使える人数に上限がある
- 機能で絞る:人数は無制限だが、請求・予算・詳細レポートなどが有料
- 量で絞る:扱えるプロジェクト数やデータ保持期間に上限がある
「一人で使うのか、少人数チームで使うのか」「請求書まで出したいのか、時間が見えれば十分なのか」で、効いてくる制限が変わります。
もうひとつの軸:記録から「何が見えるか」
無料かどうかと同じくらい大事なのが、記録した時間から後で何が見えるかです。ここは見落とされがちですが、長く使うほど効いてきます。
多くの時間計測ツールは「プロジェクト → タスク」で記録し、振り返るときに出てくるのは主にプロジェクト単位の合計時間です。「今月どの案件に何時間使ったか」を知るにはこれで十分です。
一方で、実務でよく効くのは一段細かい問いです。「設計フェーズに何時間かかったか」「この成果物を作るのに何時間か」。見積もりの精度を上げたい、クライアントに工程別で説明したい——そういうときは、合計時間だけでは足りません。そして後から工程別に見るには、記録する時点でフェーズや成果物が分かれている必要があります。フラットに作業ログを並べただけでは、あとから工程別に分類し直すのは現実的ではないからです。
「合計が見えれば十分」なのか「工程別に見たい」のか。これは無料ツールを選ぶときの、もうひとつの大事な軸です。
主な無料ツール(2026年6月時点)
Toggl Track
シンプルな時間計測の定番。無料プランは 最大 5 ユーザー まで使え、時間計測・プロジェクト・クライアントは無制限です。ワンクリックで計測を始められる手軽さが持ち味で、個人や少人数チームの「まず時間を記録する」用途に向いています。
有料は Starter が 1 ユーザーあたり月 $9、Premium が月 $18(年払いで 10% オフ)。請求レートやチーム向けの管理機能は有料側に入っています。
Clockify
こちらも無料の定番でしたが、前述のとおり 2026 年 4 月から無料プランが 最大 5 ユーザー に変わりました。一方で、時間計測・プロジェクト・タスク・クライアントは無料でも無制限のままです。タイムシート、カレンダー、各種アプリ(モバイル/デスクトップ)も無料で使えます。
有料は Basic が 1 席あたり月 $3.99(年払い)から。請求や予算管理などは上位プランで開きます。
TimeCamp
無料プランで ユーザー数・プロジェクト数ともに無制限 という点が特徴です。タイマー、手動入力、カレンダービュー、自動トラッキングに加え、10 種類以上のレポートと PDF エクスポートまで無料で使えます。「人数は増えるが、まずはコストをかけたくない」チームに向いています。
有料は Starter が 1 ユーザーあたり年払い $3.99(月払い $5.49)から。請求・予算・分析などが段階的に開きます。
Harvest
時間計測から請求書発行まで一気通貫でできるツール。無料プランは 1 席・2 プロジェクトまで と、人数とプロジェクト数の両方に上限があります。「個人で、進行中の案件が常時1〜2件」という使い方ならぴったりはまります。
有料は Teams が 1 席あたり月 $9 から。席数とプロジェクトが無制限になります。
表計算(Excel / Google スプレッドシート)
ツールではありませんが、無料の出発点として根強い選択肢です。すでに持っている(または Google アカウントがあれば無料の)表計算で、日付・作業内容・時間を記録していくやり方です。
メリットは自由度とコストゼロ。デメリットは、集計・可視化・上位への積み上げをすべて自分で組む必要があること、そして記録のたびに手入力が増えることです。「まず自分のやり方を固めたい」段階には十分機能します。
LayerClock
本記事を運営している工数管理ツールです(公平のため、事実だけ記します)。さきほどの「工程別に見たい」を無料の範囲で正面から扱えるのが特徴です。記録は プロジェクト → フェーズ → 成果物 → タスクの 4 階層で行い、最下層のタスクで計測した時間が、成果物・フェーズ・プロジェクトへ自動で積み上がります。「設計フェーズだけで何時間」「この成果物に何時間」が、あとから集計し直さなくても見えます。各項目に見積もりを入れておけば、工程ごとに見積もりと実績の差も確認できます。「合計時間」より一段細かく、自分の仕事のどこが重いかを掴みたい人に向いています。
無料プランは 個人利用(1 ユーザー)でプロジェクト 3 件まで・データ保持 6 ヶ月・基本レポート。無料はあくまで個人アカウントで、メンバーを招いてチームで共有する機能は含みません(共有は Team プランで対応)。どこまでを無料にして、どこから先を有料にしているのか——その線引きの考え方は LayerClock の無料プランは、どこで線を引いているか に書いています。
有料は Business が月 ¥980(プロジェクト無制限・データ保持 36 ヶ月・詳細レポート・CSV エクスポート・収益性分析など)、Team が月 ¥2,980(メンバー 5 名までのチーム機能)。
国内ツールについての注記
国内発のツールも候補に挙がりますが、無料で使い続けられるかは事前確認が要ります。たとえば TimeCrowd は知名度のある国内ツールですが、2026 年 6 月時点で公式の料金ページから個人向けの「継続して使える無料プラン」を確認できませんでした(無料トライアルや法人向けプラン中心の案内が見られます)。最新の提供条件は公式サイトで確認してください。
無料プラン早見表(2026年6月時点)
| ツール | 無料で使える人数 | 無料でも無制限なもの | 主な無料の制限 |
|---|---|---|---|
| Toggl Track | 最大 5 ユーザー | 時間計測・プロジェクト・クライアント | チーム向け管理・請求は有料 |
| Clockify | 最大 5 ユーザー('26/4 変更) | 時間計測・プロジェクト・タスク・クライアント | 請求・予算は有料 |
| TimeCamp | 無制限 | ユーザー・プロジェクト | 請求・予算・高度な分析は有料 |
| Harvest | 1 席 | (時間計測) | 2 プロジェクトまで |
| 表計算 | 無制限 | 行数の許す限り | 集計・可視化は自作 |
| LayerClock | 1 人(個人利用) | フェーズ・成果物・タスク数 | プロジェクト 3 件・保持 6 ヶ月・チーム共有は有料 |
※料金・上限は変わりやすいため、最終確認は各社公式ページで行ってください。為替により円換算額は変動します。
自分に合う「無料」をどう選ぶか
無料ツールを選ぶときは、「いま自分のどこに制限がかかると困るか」を起点にすると外しません。
- 一人で使う → Harvest のような 1 席無料や、個人利用が前提の LayerClock でも十分。案件数が多いなら Toggl・Clockify・TimeCamp のように案件無制限のものを
- 少人数チームで共有したい → 5 ユーザーまでなら Toggl・Clockify、人数が増えるなら TimeCamp のユーザー無制限が効く(無料で共有したい用途では、個人アカウントのみの無料プランは外れる)
- 請求書まで無料で出したい → Harvest や TimeCamp が請求機能を持つ(無料枠の範囲は要確認)
- 工程(フェーズ・成果物)別に時間を見たい・見積もり精度を上げたい → 階層で記録して上位へ自動集計できる LayerClock のようなツール。合計だけでなく「どの工程が重いか」を無料の範囲で見られる
意外と見落とされがちなのが データ保持期間 です。無料プランでは「過去◯ヶ月より前の記録は見えなくなる」ことがあり、月単位の振り返りには困らなくても、年単位で見積もりを校正したい人にはあとから効いてきます。無料で長く記録を残したいなら、人数や案件数だけでなく、どこまで過去にさかのぼれるかも最初に確認しておくと安心です。
「全部入りで永久に無料」は基本的に存在しません。自分の使い方で最初に当たる壁がどこかを見極めて、その壁が遠いものを選ぶのが、無料で長く使うコツです。
結局、見るべきは「最初に当たる壁」
各社の料金ページを一通り見直して思うのは、ツールを横に並べて機能の多寡を比べ始めると、たいてい混乱するということです。見るべきは一点だけでいい——自分の使い方で最初にぶつかる壁はどこか。一人で案件数が多いなら効いてくるのはプロジェクト数の上限で、人数の上限はどうでもいい。少人数で共有したいなら逆に人数の壁が最初に来て、個人アカウントだけの無料プランは初めから候補から外れます。請求書まで無料で出したいのか時間が見えれば十分なのか、合計が見えればいいのか工程別に見たいのか。ここが決まれば候補はかなり絞れます。
もうひとつ、今回いちばん言いたかったのは鮮度の話です。2026 年は Clockify が無料ユーザー無制限をやめるなど、その「壁」の位置自体が動いた年でした。だから古い記事の評価(この記事も含めて)をそのまま信じず、最後は各社の公式ページで今の線引きを確かめてほしい。料金や上限は、私が確認した翌週には変わっているかもしれません。
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この記事を運営している LayerClock も、無料から使えます。 個人利用・プロジェクト 3 件までの無料プランで、プロジェクト → フェーズ → 成果物 → タスクの 4 階層で工数を記録し、タスクの実績が上位の工程へ自動集計されます。「設計フェーズに何時間」「この成果物に何時間」を、合計時間より一段細かく無料の範囲で試せます(チームでの共有は Team プラン)。